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「ここでやっていけるかな」と思った夜

残業後の夜のオフィスの出口に立つ若い社員が、まだ仕事を続けている同僚たちを振り返って見つめ、不安そうな表情を浮かべているアニメ風イラスト。

AI生成によるイメージ画像

入社してからしばらくの間は、毎日があっという間に過ぎていきました。

覚えることが多くて、慣れないことばかりで、気づけば一日が終わっている。
そんな感覚の繰り返しでした。

大きな失敗をしたわけでもないし、誰かに強く怒られたわけでもありません。
それでも、少しずつ疲れが溜まっていくような感じはありました。

その日は、特別に忙しい日だったわけではありませんでした。

電話営業をして、簡単な資料をまとめて、先輩の仕事を少し手伝って。
一つ一つは小さな作業ばかりでしたが、一日を通して気を張っていたのか、夕方には少しぐったりしていました。

定時を過ぎても、周りはいつも通り静かに仕事を続けています。

自分も、やりかけの作業をもう少し進めてから帰ろうと思って、そのまま席に座っていました。

時計を見ると、外はもう暗くなり始めていました。

オフィスの照明の下で、みんながそれぞれのパソコンに向かっている光景が、なんとなく印象に残っています。

特に会話があるわけでもなく、キーボードの音だけが静かに響いている。
その空気の中に、自分も溶け込んでいるような感覚がありました。

ふと手を止めて、周りを見渡しました。

先輩は電話をしながら、手元の資料に何かを書き込んでいます。
少し離れた席では、別の人が難しそうな表情で画面を見つめていました。

みんな、当たり前のように仕事をしている。

その姿を見ながら、ふと考えてしまったんです。

自分は、この中でやっていけるのかな。

その考えが浮かんだ瞬間、少しだけ胸のあたりが重くなった気がしました。

まだ入社して間もないし、できないことが多いのは当然です。
それでも、「ちゃんと慣れていけるのかな」と、急に不安になってしまいました。

電話営業も、まだ慣れたとは言えません。
資料作りも、先輩に確認してもらいながらやっと形になる感じです。

周りの先輩たちは、当たり前のように仕事をこなしている。
その差が、急に大きく感じられました。

その日の帰りは、少し遅い時間になりました。

会社を出ると、外の空気がひんやりしていて、昼間とはまったく違う雰囲気でした。
駅に向かって歩きながら、なんとなく今日一日のことを思い返していました。

特別なことがあったわけではない。
それなのに、心のどこかが少しだけ重い。

そんな感覚でした。

電車に乗って、窓に映る自分の顔をぼんやり見ていました。

朝と同じスーツを着ているのに、少しだけ疲れて見える気がしました。

「ここでやっていけるかな」

その言葉が、ふと頭に浮かびました。

すぐに辞めたいとか、そういう気持ちではありません。
ただ、この生活がこれからずっと続いていくんだと思うと、少しだけ不安になったんです。

毎日この時間まで働いて、少し疲れて帰って、また朝が来る。

それを当たり前のように続けている先輩たちは、すごいなとも思いました。

でも、自分に同じことができるのかは、まだ分かりませんでした。

家に帰って、スーツを脱いで、椅子に座ったとき、やっと体の力が抜けた気がしました。

静かな部屋の中で、一人になると、さっきの気持ちが少しだけはっきりしてきました。

この会社で、この仕事を続けていく。

それがどういうことなのか、まだちゃんと想像できていない自分がいました。

ただ、その夜は、少しだけ長く感じました。

大きな出来事があったわけじゃないのに、いろんなことを考えてしまって、なかなか寝つけなかったのを覚えています。

それが、「ここでやっていけるかな」と初めて思った夜でした。

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この記事を書いた人

27歳の広告営業。
新規・既存営業を担当。
日々の仕事で感じたことを記録しています。

※プロフィール写真はイメージ画像です。

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