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朝礼で察した「この会社の雰囲気」

オフィスの朝礼で、年配の部長がホワイトボードに表示された右肩上がりのグラフを指し示しながら、社員たちを前に力強く話しているアニメ風イラスト。社員は前方から拍手を送り、会議室の後ろには窓越しに明るいオフィスの景色が広がっている。

AI生成によるイメージ画像

入社して少し経った頃、毎朝の朝礼にも少しずつ慣れてきていました。

最初のうちは、ただ後ろの方に立って話を聞いているだけで精一杯で、何を言っているのかも半分くらいしか頭に入ってこなかった気がします。
周りの人の名前を覚えることや、仕事内容を理解することで頭がいっぱいでした。

朝礼は毎朝、営業チーム全員が集まって行われていました。

決まった時間になると、自然とみんなが席を立って、フロアの一角に集まります。
大きな声を出すわけでもなく、整列するわけでもないんですが、いつの間にか全員が同じ方向を向いて、静かに始まる感じでした。

最初は、どこの会社でもこんなものなんだろうな、と思っていました。

上司が前に立って、昨日の売上の話をしたり、今日の予定を確認したり、簡単な連絡事項を伝えたり。
内容自体は特別なものではなくて、ごく普通の朝礼だったと思います。

ただ、ある日を境に、少しだけ見え方が変わりました。

その日は月の後半で、売上の話がいつもより長く続いていました。

上司がホワイトボードに数字を書きながら、淡々と説明していきます。

「今月の目標がこれで、現在がここ」
「残りがこれくらい」

声を荒げるわけでもなく、落ち着いたトーンで話しているだけなのに、なんとなく空気が重く感じました。

周りを見てみると、みんな静かにうなずいたり、手帳にメモを取ったりしていました。
誰も私語はしないし、冗談が出るような雰囲気でもありません。

まだ新人だった自分は、正直その数字の重みをちゃんとは理解できていませんでした。
でも、その場にいる人たちの表情を見ていると、「大事な話なんだな」というのは何となく伝わってきました。

そのとき、ふと隣に立っていた先輩が、小さくため息をつくのが聞こえました。

本当に小さな音だったので、気のせいかもしれません。
でも、その一瞬で、空気が少しだけ張りつめたような気がしました。

上司は特に誰かを責めるような言い方はしていませんでした。

「厳しいけど、まだ巻き返せるから」
「各自、できることを考えて動いていこう」

そういう言い方でした。

それでも、言葉の端々に、数字に対する重さのようなものを感じました。

朝礼が終わって、みんながそれぞれの席に戻っていくと、さっきまでの静かな空気がそのまま続いているようでした。

誰かが落ち込んでいる様子もないし、怒られている人もいない。
でも、どことなく全員が少しだけ早くパソコンに向かっているように見えました。

その光景を見ながら、「営業ってこういう感じなんだな」と、ぼんやり思ったのを覚えています。

それまでの自分は、朝礼ってもっと元気なものだと思っていました。

「おはようございます!」と声を出して、今日の目標を発表して、気合を入れて仕事に向かう、みたいな。
そういうイメージを、どこかで勝手に持っていたんだと思います。

でも、この会社の朝礼は少し違っていました。

静かで、淡々としていて、でも数字の話になると空気が少し変わる。
その変化が、なんとなく印象に残りました。

新人の自分には、まだ直接ノルマがあるわけではありませんでした。
それでも、その場に立っているだけで、「いずれ自分もこの数字を追うことになるんだな」と感じました。

怖いというほどではないけど、少しだけ背筋が伸びる感覚でした。

朝礼が終わったあと、先輩が「慣れるまで大変だけどね」と軽く笑いながら声をかけてくれました。

その言葉に、少しだけ安心したのを覚えています。

でも同時に、「この会社は、数字をすごく大事にする場所なんだな」と、はっきり意識したのもこの頃でした。

怒鳴り声が飛ぶわけでもないし、極端に厳しい言葉があるわけでもない。
それなのに、数字の話になると、空気が静かに重くなる。

それが、この会社の雰囲気なんだと、少しずつ分かってきた気がしました。

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この記事を書いた人

27歳の広告営業。
新規・既存営業を担当。
日々の仕事で感じたことを記録しています。

※プロフィール写真はイメージ画像です。

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