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会社に行きたくないと思った朝

朝の部屋の中で、スーツ姿の若い男性がドアノブに手をかけたまま動けずにいる。肩にカバンをかけ、うつむき気味の表情で出勤をためらっている様子が伝わる静かな一場面。

AI生成によるイメージ画像

ある朝、はっきりと「行きたくない」と思いました。

それまでも朝がつらい日はありました。
体が重かったり、気分が乗らなかったり。
でも、その日は少し違っていました。

目が覚めた瞬間に、頭に浮かんだのが仕事のことでした。
そして同時に、「今日は行きたくない」という気持ちが、はっきりと言葉として出てきたんです。

ただ眠いとか、だるいとか、そういう感覚じゃありませんでした。
体の奥のほうから、拒否しているような感覚でした。

目覚ましは鳴っていました。
時間も分かっていました。
起きれば間に合う時間です。

でも、布団から出る気力がありませんでした。

天井を見ながら、しばらく動けなかったのを覚えています。
頭では「行かなきゃ」と思っているのに、体がまったくついてこない。

何度も目を閉じて、現実から少しでも離れようとしていました。

会社のことを考えると、胸のあたりが重くなる。
なんとも言えない不安が、ゆっくり広がっていく感じがしました。

前の日に特別何かあったわけではありません。
怒られたわけでもないし、大きなトラブルがあったわけでもない。

それでも、行きたくないと思ってしまった。

むしろ、何も起きていないからこそ、余計にしんどかったのかもしれません。
これから始まる一日を想像するだけで、気持ちが沈んでいく。

また同じ空気の中で過ごすのか。
また気を張り続けるのか。
また疲れて帰ってくるのか。

そんなことを考えているうちに、どんどん体が重くなっていきました。

時間だけが過ぎていきます。
このままだと遅刻するな、と冷静に分かっていました。

それでも、すぐには起きられませんでした。

「休もうかな」

ふと、そんな考えが頭をよぎりました。
でも、結局は休めませんでした。

休んだら何か言われるんじゃないか。
次の日がもっとしんどくなるんじゃないか。
そんな不安のほうが強かったからです。

だから、ゆっくりと体を起こしました。

洗面所に向かう足取りが重い。
顔を洗っても、まったく気分が変わらない。
鏡に映る自分の顔が、やけに疲れて見えました。

支度をしながら、ずっと考えていました。
どうして、ここまで行きたくないと思ってしまったんだろう、と。

前はここまでじゃなかったはずです。
多少つらくても、ここまで強く拒否することはありませんでした。

でも、その頃は違いました。

毎日少しずつ、気持ちが削れていたんだと思います。
大きな出来事があったわけじゃなくても、小さなストレスが積み重なっていた。

気づかないうちに、限界に近づいていたのかもしれません。

電車に乗っている間も、ずっとぼんやりしていました。
会社に近づくほど、気分が沈んでいくのが分かる。

まだ何も始まっていないのに、もう帰りたいと思っている。
そんな状態でした。

あの朝、「行きたくない」とはっきり感じたことは、今でも覚えています。
ただの気分の問題じゃなくて、心が止まりかけていたんだと思います。

それでも結局、会社には行きました。

行くしかないと思っていたからです。
働かないといけない。
生活がある。
そうやって自分を納得させていました。

でも、その日を境に、朝のつらさは少しずつ増していきました。

起きるたびに、同じような気持ちになる。
会社のことを考えるだけで、気分が落ちる。

その状態が続くのは、普通じゃないと薄々感じていました。

あの朝の「行きたくない」という感覚は、怠けとか甘えではなかったんだと思います。
ただの気分じゃなくて、心からのサインだった。

今振り返ると、あの瞬間が、自分の中で何かが変わり始めたきっかけだった気がします。

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この記事を書いた人

27歳の広告営業。
新規・既存営業を担当。
日々の仕事で感じたことを記録しています。

※プロフィール写真はイメージ画像です。

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