MENU

オフィスの電話の音に敏感になってきた

日中のオフィスでデスクの電話が鳴り、書類を持った若い社員が驚いた表情で身をこわばらせながら受話器の方を見つめている様子を描いたアニメ風イラスト。

AI生成によるイメージ画像

営業の仕事を始めてから、少しずつ変わってきたことがあります。

それは、オフィスに鳴り響く電話の音に、前よりも敏感になってきたことでした。

最初の頃は、そこまで気にしていませんでした。
電話は鳴るものだし、誰かが取るものだと思っていたからです。

自分の電話が鳴ったときだけ反応して、
それ以外の音は、ただの背景の音のように感じていました。

でも、いつの間にか、その音に体が反応するようになっていました。

「プルルル」という音が鳴ると、
自分の電話じゃなくても、一瞬だけ手が止まる。

視線が自然と電話の方に向く。

そんな小さな反応を、何度も繰り返していることに気づいたんです。

ある日の午前中、資料を作っているときでした。

少し集中して画面を見ていたところに、
オフィスの電話が鳴りました。

自分の席の電話ではありません。
少し離れた場所の電話です。

それでも、無意識に肩が少しだけ動いたんです。

「自分じゃない」と分かって、また作業に戻る。
でも、その一瞬だけ、集中が途切れる。

そんなことが、何度もありました。

営業のフロアは、電話の音が絶えません。

誰かが話し終わると、また別の電話が鳴る。
少し静かになったと思ったら、またどこかで着信音が鳴る。

その繰り返しが、当たり前の環境でした。

最初は、ただの「音」だったはずなのに、
だんだん意味のある音として聞こえるようになってきたんです。

「誰かの商談かな」
「折り返しの電話かもしれない」
「クレームじゃなければいいな」

そんなことを、無意識に考えてしまう。

自分に関係ない電話でも、少しだけ気持ちが動くようになっていました。

特に、自分の席の電話が鳴ったときは、
一瞬だけ緊張が走るようになりました。

何の用件だろう。
営業先からの連絡かな。
それとも、先輩からの取り次ぎかな。

受話器を取るまでのほんの数秒で、いろんなことを考えてしまう。

電話に出てみると、普通の問い合わせだったり、
短い確認だけだったりすることがほとんどです。

特別なことが起きるわけではありません。

それでも、鳴る瞬間だけは、少しだけ身構えてしまう。

ある日の午後、電話が立て続けに鳴った時間帯がありました。

あちこちで着信音が重なって、
誰かが出て、また別の場所で鳴って、また誰かが出る。

その音の連続を聞いているうちに、
自分も少し落ち着かなくなってきたんです。

まだ自分の電話は鳴っていないのに、
いつ鳴るか分からない感じがして、
気持ちが少しだけ張っている。

そんな感覚でした。

周りの先輩たちは、そんな様子もなく動いています。

電話が鳴れば、すぐに出る。
話し終われば、また作業に戻る。

その切り替えが、とても自然です。

自分も同じようにしているつもりなのに、
心のどこかで、音をずっと気にしている。

「また鳴るかな」
「次は自分の電話かもしれない」

そんなふうに思ってしまう瞬間が増えていました。

営業の仕事では、電話が大事な入り口になることが多いです。

新しい話が始まるきっかけになることもあるし、
進んでいた案件が動く連絡かもしれない。

だからこそ、その音に対して敏感になるのは、
ある意味、自然なことなのかもしれません。

でも、以前よりも反応してしまう自分に、少しだけ気づいた瞬間がありました。

昼休み前、静かな時間に一本だけ電話が鳴ったとき、
その音が、やけに大きく感じたんです。

一瞬、心臓が少しだけ早くなるような感覚がありました。

たったそれだけのことなのに、
「ああ、自分、けっこう気にしてるんだな」と思いました。

特別に嫌な思いをしたわけではありません。
電話が怖いわけでもない。

ただ、いつの間にか、音に対して気を張るようになっていた。

営業の毎日の中で、
電話はずっと鳴り続けています。

その音に囲まれて過ごしているうちに、
少しずつ体が慣れていくのか、
それとも少しずつ敏感になっていくのか。

まだ、自分でもよく分かりません。

ただ、以前よりも確実に、
その音を意識してしまうようになっている。

そんな小さな変化を感じ始めていた頃の話です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

27歳の広告営業。
新規・既存営業を担当。
日々の仕事で感じたことを記録しています。

※プロフィール写真はイメージ画像です。

コメント

コメントする

目次