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最近、友達に仕事の話をしていない。
最初の頃は、会うたびにいろいろ話していた気がします。
入社したばかりの頃は、毎日が初めてのことばかりで、
電話のことや、社内の雰囲気のことや、研修のことをよく話していました。
「こんな感じなんだね」
「大変そうだけど頑張ってるね」
そんなふうに返してもらえるだけで、少し気持ちが軽くなっていたのを覚えています。
でも、気づいたら、仕事の話をあまりしなくなっていました。
会っても、学生の頃の話や、最近見たテレビの話、
昔の思い出の話ばかりしている。
楽しい時間なのに、仕事の話題は自分から出さなくなっていました。
理由ははっきり分かりません。
話したくないわけじゃない。
隠しているつもりもない。
ただ、自然と口にしなくなっていたんです。
ある日、友達に「仕事どう?」と聞かれたことがありました。
少し考えてから、「普通だよ」とだけ答えていました。
特に嘘をついたわけではありません。
本当に、特別な出来事があったわけでもなかったからです。
でも、話そうと思えば話せることはたくさんあったはずでした。
営業先で感じたことや、電話の緊張や、
社内の空気のことや、数字のプレッシャーのこと。
それなのに、言葉にしようとすると、うまくまとまらない感じがしたんです。
どこから話せばいいのか分からない。
説明しようとすると長くなりそうだし、
細かいことまで話しても伝わらないかもしれない。
そんなことを考えているうちに、
「まあ、普通かな」で終わらせてしまうようになっていました。
営業の仕事は、毎日が劇的に変わるわけではありません。
電話をかけて、断られて、またかけて。
営業先に行って、短い会話をして戻ってきて。
数字を意識しながら、一日が過ぎていく。
その繰り返しの中で感じることは、
小さくて、言葉にしづらいものが多い気がします。
だからこそ、うまく話せないのかもしれない。
ある日、久しぶりに会った友達が、仕事の話をしてくれたことがありました。
忙しい日が続いていることや、
上司とのやり取りのことや、最近感じている悩みのこと。
それを聞きながら、自分も少し話そうかと思ったんです。
でも、結局あまり話しませんでした。
「まあ、こっちもぼちぼちかな」
そんな感じで、軽く流してしまった。
帰り道に、ふと考えました。
前はもっと話していたのに、なんでだろう。
仕事のことを話すのが嫌になったわけではない。
でも、言葉にするのが少し難しくなっていた気がします。
一日の中で感じていることは、たくさんある。
営業先に向かうときの緊張や、
電話をかける前の小さな迷いや、
数字を見たときの静かな焦り。
でも、それはどれも一瞬の感覚で、
誰かに話すほどの「出来事」ではないような気もする。
だから、自然と心の中にしまうようになっていたのかもしれません。
友達と会う時間は、どちらかというと仕事を忘れる時間になっていました。
仕事の話をしない方が、
純粋に楽しい時間を過ごせる気もしていたんだと思います。
笑って、くだらない話をして、
学生の頃と変わらない感覚に戻れる。
その時間が、どこかほっとする瞬間になっていました。
それでも、帰り道にひとりになると、
また頭の中には仕事のことが浮かんでくる。
明日の予定や、営業先のことや、
電話の進め方をどうするか。
結局、完全に切り離せているわけではない。
ただ、人に話すことが減っただけなんだと気づきました。
仕事の話を友達にしなくなった。
それは距離ができたというより、
自分の中で少しずつ抱えるものが増えてきたからなのかもしれません。
うまく説明できない感覚が増えてきて、
それを言葉にする機会が、少しずつ減っていった。
そんな変化を感じ始めた頃のことを、今でもよく覚えています。
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