
AI生成によるイメージ画像
家を出るときは、そこまででもないんです。
まだ眠さが残っているだけで、いつも通りの朝。
顔を洗って、支度をして、いつもと同じ時間に家を出る。
特別なことは何もなくて、ただ一日の始まりというだけの感覚でした。
電車に乗っている間も、特に何かを深く考えているわけではありません。
ぼーっと窓の外を見たり、スマホを触ったりしながら、なんとなく会社の方へ向かっていく。
人の流れに合わせて動いているだけで、まだ頭の中は完全には仕事モードになっていません。
でも、会社が近づいてくると、少しだけ気分が変わる瞬間があるんです。
駅を降りて、会社の建物が見えてくる。
そのとき、ほんの少しだけ、気持ちが重くなる。
はっきりとした理由があるわけではありません。
昨日、何か嫌なことがあったわけでもない。
怒られたわけでもなければ、トラブルを抱えているわけでもない。
それでも、会社の入口が見えた瞬間に、少しだけ背中に重さを感じるような感覚がありました。
「今日も始まるな」
そんな言葉が、自然と頭に浮かぶ。
営業の仕事は、毎日同じようで、毎日少しずつ違います。
電話をかけて、断られて、またかけて。
営業先に行って、話をして、戻ってきて。
数字のことを考えて、次の動きを考えて。
その流れが分かっているからこそ、朝の時点で一日のイメージが少し浮かんでしまう。
「今日は何件くらい電話をかけるんだろう」
「昨日の続き、どうなってるかな」
「先輩に聞かないといけないこと、あった気がする」
「今日の予定、ちゃんと回せるかな」
そんなことを考えているうちに、会社のドアの前に立っている。
深刻な憂うつさではありません。
仕事が嫌で仕方ない、というほどではない。
でも、気持ちが少しだけ静かになるような、そんな感覚でした。
エレベーターに乗っている時間も、どこか不思議な時間です。
まだ仕事は始まっていないのに、
もう頭の中は少しずつ仕事モードに入っている。
今日やることを、なんとなく整理し始めている自分がいる。
昨日うまくいかなかった電話のことを思い出したり、
今日こそは話を長く聞いてもらいたいと思ったり。
短い時間なのに、気持ちだけが少しずつ切り替わっていく感じがしました。
フロアに着いて、席が見えてくると、さらに現実感が出てきます。
パソコンを立ち上げて、メールを開いて、
電話の準備をして。
その一つ一つの動きが、もう体に染みついてきている。
最初の頃は、ただ緊張しているだけでした。
何をすればいいか分からない。
失敗しないようにすることばかり考えていた。
朝から心臓が少し速くなっているような感覚もありました。
でも、少し慣れてきた今は、
「何が始まるか」が分かるようになってきた。
だからこそ、朝、会社に近づくと気分が少し重くなるのかもしれません。
ある日、駅から会社まで歩いているとき、
同じ方向に向かっている先輩の後ろ姿が見えました。
その背中を見ながら、ふと考えたんです。
みんな、同じ気持ちなのかな、と。
特に表情が暗いわけではないし、
普通に歩いているだけ。
でも、どこか静かで、
一日の始まりを受け入れているような空気がありました。
急いでいるわけでもなく、
楽しそうに話しているわけでもなく、
ただ、仕事に向かっている足取り。
自分も同じように歩いている。
足取りが重いわけじゃない。
でも、軽くもない。
ちょうど真ん中くらいの感覚。
会社のドアを開ける瞬間が、一番気持ちが切り替わる瞬間です。
中に入ると、もう仕事の空気が流れている。
パソコンの音、電話の音、先輩たちの声。
その中に入った途端、自然と気持ちが引き締まる。
さっきまで感じていた重さも、少しずつ消えていきます。
椅子に座って、パソコンを開いて、
一日の流れに入っていくと、もう考える余裕もなくなる。
電話をかけ始めれば、目の前のことに集中するしかない。
話し方を意識して、相手の反応を見て、次の一言を考える。
そうしているうちに、朝の気持ちはいつの間にかどこかに消えていきます。
朝会社に近づくと気分が重くなる。
それは、仕事が嫌というよりも、
これから始まる一日の緊張を、体が少しだけ感じ取っているからなのかもしれません。
営業の一日は、朝から動き出します。
電話の一本目、メールの一通目、
そこからまた、いつもの流れが始まる。
そのスタートラインに立つ瞬間が、
少しだけ重く感じる。
でも、その重さは、動き出せば自然と薄れていく。
むしろ、何も考えずに一日が始まるより、
心のどこかで準備をしている時間なのかもしれません。
駅から会社までの短い道のりの中で、
気持ちが少しずつ仕事に向かっていく。
その変化を、自分でもはっきり感じるようになってきました。
重さを感じる日もあれば、
何も考えずに歩いている日もある。
でも、その感覚も含めて、
少しずつ日常になってきている。
そんなふうに感じ始めた頃の、朝の話です。
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