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入社してしばらく経った頃から、少しずつ変わってきたことがありました。
家に帰ってからも、会社のことを考える時間が増えてきたんです。
最初の頃は、帰宅すると一気に気が抜けていました。
慣れない環境で一日過ごして、電車に乗って帰ってくるだけでどっと疲れる。
家に着いたら、ただぼーっとして、気づいたら時間が過ぎている。
そんな感じの日が多かったと思います。
でも、少し仕事に慣れてきた頃から、頭の中が少し変わってきました。
ご飯を食べているとき。
お風呂に入っているとき。
寝る前に横になっているとき。
ふとした瞬間に、会社のことを思い出してしまうようになりました。
「あの電話の言い方、あれでよかったかな」
そんなことを、急に考えてしまうことがあります。
相手の反応が少し微妙だった気がして、もう少し違う言い方があったんじゃないか、とか。
あとから思い返して、少し気になってしまうんです。
別の日は、資料のことが頭に浮かびました。
あの数字、間違ってなかったかな。
もう一度確認した方がよかったかもしれない。
家にいるのに、会社のパソコン画面が頭に浮かんできます。
もちろん、次の日に確認すればいいだけの話です。
大きな問題があるわけでもありません。
それでも、なんとなく気になってしまう。
そんな日が少しずつ増えていきました。
ある夜、布団に入ってから、急に不安になったことがありました。
明日、何から始めればいいんだろう。
先輩に聞いたこと、ちゃんと覚えてるかな。
あの仕事、抜けてることなかったかな。
考え始めると、頭の中で一日の流れを何度も思い返してしまう。
気づいたら、しばらく寝つけなかったこともありました。
次の日に何かがあるわけではないのに、自然と会社のことを考えてしまう。
それが少し不思議でした。
学生の頃は、家に帰れば完全に気持ちが切り替わっていた気がします。
学校のことを思い出すことはあっても、こんなふうにずっと考え続けることはなかった。
家は完全に休める場所で、外のことは一旦置いてこられる場所でした。
でも、社会人になってからは、少し違う。
会社の中で感じたことや、言われた言葉が、ふと頭の中に残っている。
それが、帰ってからも消えないことがありました。
ある日、同期とそんな話になったことがあります。
「家に帰っても、仕事のこと考えちゃうんだよね」
そう言うと、「分かる」とすぐに返ってきました。
「寝る前に思い出すと、ちょっと疲れるよね」
「気づいたら次の日のこと考えてる」
そんな会話をして、少しだけ安心したのを覚えています。
自分だけじゃないんだ、と。
みんな、同じように感じているのかもしれない。
まだ慣れていないから、頭の中が仕事のことでいっぱいになってしまうのかもしれません。
毎日が初めてのことばかりで、覚えることも多い。
小さな失敗をしないように気をつけて、周りの空気も見ながら動いている。
だから、無意識に振り返ってしまうんだと思います。
ただ、家にいても気が休まらない瞬間があるのは、少しだけ不思議な感覚でした。
テレビを見ていても、ふと今日の出来事を思い出す。
何気ない時間の中で、会社のことが頭をよぎる。
それが続くと、「ずっと気を張っているのかもしれないな」と感じることがありました。
まだ大きなストレスがあるわけではありません。
でも、完全に気持ちを切り替えられていない自分がいる。
そんな感覚が、少しずつ増えていきました。
帰り道も、自然と一日のことを振り返るようになっていました。
あのとき、こうすればよかったかな。
明日は、あれを先にやった方がいいかも。
あの先輩、少し忙しそうだったな。
そんなことを考えながら歩いていると、あっという間に駅に着いてしまいます。
頭の中で、一日を何度もなぞるような感覚でした。
社会人になるって、こういうことなのかな、とぼんやり思いました。
まだ始まったばかりなのに、生活の中に少しずつ会社が入り込んできている感じがしました。
家に帰っても、完全には離れられない。
それが少しずつ当たり前になり始めていた時期でした。
気持ちが休まっているようで、どこか仕事のことを考えている。
そんな時間が、少しずつ増えていった頃の話です。
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