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先輩が急に忙しくなる理由

オフィスで上司が大量の書類を40代の短髪の先輩に手渡して仕事を依頼し、その様子を横で若い主人公が不安そうに見ているアニメ風イラスト。

AI生成によるイメージ画像

営業の仕事をしていると、いつもは落ち着いて見える先輩が、急に慌ただしくなる日があります。

さっきまで普通に電話をしていたのに、
気づいたら立ち上がって、別の席に呼ばれて、
戻ってきたと思ったら、すぐに資料を開いて何かを打ち込み始める。

その変化が、最初の頃は少し不思議でした。

「何かあったのかな」

そんなふうに思いながら、横目で様子を見ていたのを覚えています。

ある日の午後、その理由が少しだけ分かった瞬間がありました。

上司に呼ばれた先輩が、少し長めに話をしていました。
内容までは聞こえませんでしたが、真剣な表情でうなずいている。

しばらくして席に戻ってくると、
普段よりも明らかに動きが速くなっていました。

パソコンを開いて、過去の資料を探して、
誰かに電話をかけて、またすぐ別の資料を開く。

その一連の流れが、途切れることなく続いていました。

いつもは落ち着いて仕事をしている先輩が、
その日はずっと忙しそうにしている。

気になって見ていると、
電話の声も少しだけ張っているように感じました。

「はい、すぐに確認します」
「今日中にまとめておきます」

そんな言葉が、いつもより少し急いで聞こえる。

あとから別の先輩との会話が、少しだけ耳に入りました。

「急に頼まれてさ」
「今日中って言われてもなあ」

その言葉を聞いて、
なんとなく状況が想像できた気がしました。

上司から、急な仕事が入ったんだ。

それも、すぐに対応しないといけないような内容。

営業の仕事は、自分の予定だけで動いているわけじゃない。
上からの指示が入ると、
一日の流れが一気に変わることがあるんだと、そのとき初めて実感しました。

それからは、似たような場面を何度か見るようになりました。

上司に呼ばれて戻ってきたあと、
急に電話の本数が増える先輩。

資料を一から作り直している様子。
予定していた外出を調整している姿。

そのどれもが、
急に入った仕事に対応しているように見えました。

ある日、近くの席で上司がこんな話をしているのが聞こえました。

「これ、ちょっとお願いできる?」
「時間ないんだけど、今日中に形にしたくて」

その声は強くありません。
でも、断りづらい空気があるのが分かりました。

頼まれた先輩は、少しだけ間を置いてから、
「分かりました」と答えていました。

そのあと、すぐに席に戻って、
さっきまでやっていた仕事を横に置いて、新しい作業を始めていた。

その姿を見て、
「急に忙しくなるって、こういうことなんだ」と思いました。

もともとやっていた仕事がなくなるわけではない。
そこに、新しい仕事がそのまま乗ってくる。

だから、一気に手がいっぱいになるんだ。

その日、先輩はほとんど席を立つことなく、
ずっと画面に向かっていました。

電話をして、資料を作って、また電話をして。
途中で何度か上司に確認に行って、また戻ってくる。

その動きが、ずっと続いていた。

夕方になっても、まだ終わっていない様子でした。

自分は自分の仕事をしながら、
その様子を少し気にして見ていました。

普段は余裕を持って見える先輩でも、
こうやって急に忙しくなる日があるんだ。

それを目の前で見て、
営業の仕事の大変さを少しだけ感じました。

先輩は特に文句を言うわけでもなく、
ただ淡々と作業を進めていました。

でも、その背中は、
少しだけ疲れて見えた気がします。

仕事が終わる頃、
「助かりました」と上司が声をかけているのが聞こえました。

先輩は軽くうなずいて、
また自分の席に戻っていく。

そのやり取りを見て、
これがこの職場の日常なんだなと思いました。

上司から急に仕事が振られる。
それを受けて、先輩が一気に忙しくなる。

その流れが、自然にできている。

まだ自分は、その中心に入ることはありません。

でも、いつか同じように、
急に仕事を任される日が来るのかもしれない。

そう思うと、
少しだけ背筋が伸びる気持ちになりました。

先輩が急に忙しくなる理由。

それはきっと、
見えないところで仕事が増えていくからなんだと、
少しずつ分かり始めていた頃の話です。

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この記事を書いた人

27歳の広告営業。
新規・既存営業を担当。
日々の仕事で感じたことを記録しています。

※プロフィール写真はイメージ画像です。

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